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今朝のBBCニュースのトップ記事はいつも話題にことかかないNHS(Natianal Health Service:国民健康保険のようなもの)のこと
ヨーロピアン法廷での判決 「イギリスのNHSは患者さんの治療の待ち時間が長過ぎて患者さんがフランスなど国外で治療を受けた場合のコストを負担すべき」
ケースは75歳のYvonne Wattsさんという女性 イギリスでの待ち時間が長過ぎたために人工股関節置換術をフランスで受けた£3,900 (80万くらい)(*1)をNHSに請求できるかどうかという争点で答えはYESとでたわけです
このケースの詳しいことはわかりませんが人工股関節置換術を受けるのにオフィシャルで7〜12ヶ月のwaiting listといわれています しかしー実際は私が目にしてきた多くのケースは15〜18ヶ月でした
どこから「待ち時間」とするかも問題な訳です
典型的な例をあげると
「股関節が痛い」
とはじめに気づき、まず家庭医GPのところにいきます
レントゲンなどの施設もないしGPは整形外科医ではないので診察もろくにないまま
「とりあえず痛み止め出しときましょう」
と数ヶ月様子を見ます
それで痛みがあまりに変わらない場合GPのところにもどって整形外科に行きたいと要請します。するとGPは整形外科医コンサルタント(*2)に手紙を書いて送ります(これが1週間くらい)。整形外科医コンサルタントの秘書さんはGPから手紙を受け取ると整形外科コンサルタントの外来診察に予約をとり、予約をとったことを手紙にして患者さんとGPに送ります(これが2〜3週間くらい)。患者さんが手紙を受け取ってみるとだいたい予約は6ヶ月先のいついつ、となっているわけです。この時点ですでに6ヶ月〜1年くらいたっているわけです。
待ちに待って整形外科医に会いにいく。するとレントゲンをはじめてここでとられて診察されて疑問がある場合は他のテストを含めて数ヶ月。ストレートに人工股関節の手術の予約をとりましょう、といってもそれに7〜8ヶ月プラスということになるわけです。
私がコンサルタントについて外来にいたときに初老の女性が股関節の痛みで診察にきていて初診まで1年待ったといっていました。その女性にコンサルタントが手術はだいたい6〜8ヶ月先と説明したとたん、涙がこぼれていました。「もうこれ以上待てません。最近は外出も出来ないようになってきた」と。
想像を絶する悲惨な状況ですが、どこまでこの判決で改善してくれるのやら。いやはや。
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*1 人工股関節の手術のコストはヨーロッパ、イギリスでは日本に比べ安いそうです 人工股関節そのものが輸入だったり税金だったりせいなのでしょうか
*2 整形外科医のコンサルタントはイギリス全土で5000人だそうです コンサルタントというとだいたい「教授」レベルと同じと考えてもいいのかもしれませんがすべての患者さんはコンサルタントのもとに治療されるという原則を考えると少なすぎ。
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