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2005年08月25日 民間療法、健康補助食品やサプリメントの使用について

診療室などで健康食品の使用に関して質問を受けることが多い。
私が医師として、それらの質問に答える時のスタンスは以下の通りである。

1)医療者の立場から積極的に勧めることはない。
 十分に治療効果が蓄積されていないものを、プロとしては勧めることはできない。

2)もし、知人などに勧められ使ってみたいのであれば、主治医にもそのことを知らせて欲しい。

 健康食品といえでも思わぬ副作用が出ることもある。主治医が知っていれば、そのような副作用に早く気が付くかもしれない。

 2002年慶應大学病院の消化器内科に減肥茶のための急性肝不全が2例続けて入院し、そのことをきっかけに全国から減肥茶の被害報告が続いた。(私のHPの記事厚生労働省の報告
それにもかかわらず、2005年にも天天素という中国製の食欲抑制系痩身剤がインターネットで販売され、それを服用した女子学生に死亡者が出た。インターネットによる販売店のホームページには以下のような宣伝文句がつけられていた。
「中国ダイエット食品と言えば肝炎などで話題になったが、この天天素は副作用も特になく、健康的にダイエットできる安全性の高い優れもの。中国上流階級では有名な、割とローカルな大人気サプリメント。」
最近の厚生労働省の発表では向精神薬のマジンドールと未承認のジブトラミンが含まれていたという。

3)本当の病気をもっているのであれば、必ず医療の監視の下に使用する。
 先日も糖尿病患者が真光元というものを信じて死亡した事件があったが、少なくとも医療機関に通院していればあのような事態にはならなかったと思う。副作用と同時に、その効果をモニターし、病気が急激に進展していないことを確認することも大切である。

4)同じ製品が出ているのであれば、信頼のおける会社のものを買うべきである。
 例えば、アガリスクなどは色々なメーカーのものが並んでいるが、私なら名前も知らないメーカーのものを選ぶことはしない。大手の製薬会社や食品会社などが製造し販売するものであれば、少なくとも品質管理はよりましであり、意図的に化学物質を入れたりすることはないだろうと考える。健康食品だけの業者は私なら避ける。
 
5)新しく出てきた民間薬は、少なくとも半年は様子を見る。
 急に話題になったものは避ける方が賢明です。半年もたてば一時的なブームなら消え去るっことも多いし、その間に副作用などの問題が明らかにされることも多い。
どのようなものでも副作用があることを前提として試すべきである。その副作用の実態も知らずに服用すべきではない。

6)インターネット上の販売物はとりわけ注意を要する。
 インターネット上での情報は信頼性が確かめられません。インターネット上でのオークションなどで簡単にだまされる人がいることも枚挙に暇がありません。もちろん、対面販売でも注意を要することは間違いがありません。

投稿者 katos : 2005年08月25日 17:17
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コメント

医療の世界でも、工学の世界でも、根拠が乏しいだけでなく、改悪するだけにしかならないものって、多いですね。

これだけ情報の溢れている時代ですから、もっともらしい説をつけて、消費者を惑わす例が増えているように思います(類似専門家やマスコミ等の第三者による誘導のような説明は、最悪だと思っています)。

やはりプロは、本当のことを分かりやすく説明して、プロ以外の方々に注意喚起をすることが重要ですね。

投稿者 GALANT's Cafeさん : 2005年08月25日 23:05

サプリメント業界の実態を紹介した番組についてのレポート、阪本先生の記事と同時にこちらにもトラックバックさせて下さい。もし補足が必要な点があればご指導頂ければ幸いです。

投稿者 GOROさん : 2005年08月26日 01:54

ご紹介いただいた講演会で耳にしたことですが・・
「一人でも効いた人がいたら、次の一人になれるかもしれないじゃない?今更他にお金使うところはないし、ついつい投資してしまうのよね・・新しい健康食品に」年配のきれいに身繕いなさった奥様でした。

正確な医療情報よりも、圧倒的に多いのがマスメディアによる商品化「健康」情報ですものね。
ブームの熱を一旦冷まし、他力本願の魔法でなく、地道な生活の要素として「健康希求」が定着すればいいなぁ・・と。

投稿者 body&soulⅣさん : 2005年08月26日 08:57

Galantさん。 特に、インターネットの情報は注意が必要だと思います。同時にインターネットはこのサイトで試みているように、専門家と非専門家の対話にも役立つ道具になると思います。いかに、その道具をいかすかがこれからの課題ですね。

Goroさん。B&Sさん。 テレビ番組の紹介をありがとうございます。テレビ番組は国民全体への影響も大きいので、このようなトピックスもどんどんとり上げて欲しいですね。健康番組ではこれを食べればこんなによくなるなどと簡単な紹介が多いのですが、そのようなものを求めている視聴者が多いという現実もあります。 この辺の啓蒙活動から始めないと、マスコミだけを責めても、結局は視聴率がかせげないものであれば定着しないのでしょうね。

投稿者 加藤眞三さん : 2005年08月26日 17:20

2)について、精神科の立場ではセントジョンズワート、バレリアン、が代表として挙げられるのですが、これは日本では「食品」ですが、海外では「薬」として扱われているところもあります。ここでは濫用を防ぐため、効能などは言いませんが、さまざまなお薬と相互作用を起こす危険な側面がありますし、過剰に取ると有害な作用があります。一方でこのようなものが、目的の症状に効くかといえば、各メーカーで純度の差などあってはっきりせず、むしろ受診を遅らせるという悪い作用が浮き彫りになります。

わたしとしてはできればサプリメントはビタミンよりも「効果がある」と言ううたい文句のものは、患者さんの経済を圧迫するという問題や、またさっきも述べたように受診を遅らせることがあるので、慎重に扱って欲しいと思うし、医療者は安易な気持ちで薦めてはいけないと思いますし、みなさんはそれを見極めるための知恵をつけなくてはいけないと思います。
どうしても患者さんが希望したときは3)のように、すべて申告してもらうようにしていますが、服薬が患者さんの人生を左右する場合がある・・・・・精神科的にはとてもじゃないですが、サプリメントなど勧める気にはなれません…

しんぞうさん、長文すみませんでした。

投稿者 にしまるさん : 2005年08月26日 18:46

服薬が患者さんの人生を左右する→…場合がある、を追加です。

精神科だけじゃなくて、何科でも共通で例外はないような気もします。

投稿者 にしまるさん : 2005年08月26日 18:59

3)の一件から、少し過敏なくらいにサプリや健康食品に反応してしまいます。
上のにしまるセンセのカキコに有るように、正攻法での治療を受けること無く見過ごして、患者が単なる安心感から受診を遅らせた結果、どうにもならなくなってから受診されている糖尿病患者が患者会で一杯いるのです。 このような実態がある限り、甘い汁を吸っている業者が多数有るのだと、思います。
安易な、個人輸入で問題が起こった時は、やはり、死亡者が出ない限り、取り締まれないないのでしょうね。 嘆かわしい限りです。

投稿者 ポー助さん : 2005年08月26日 21:53

先日、といってももう大分経ちましたが、肝臓学会の講演会(東京)でのこと
ある先生が、最近は医師の言うことを聞かず、OのもOたの言うことばかり聞く患者さんがいるといっていました(笑)
健康関連の番組は視聴率も高いようで、一般の人だけでなく患者さんにも影響を与えているようですね
私も結構「健康食品」好きですが、先日どこかのHPで(何処だったかな〜)コエンOイOなどを摂取しても胃や腸、肝臓で分解され、そのままで吸収されるわけではないので騙されないように、という内容の記事を見たんですが、確かにその通りと思いました
病気であるがゆえに健康になりたい意識はかなり強いと思います
やっぱり安易な「健康食品」の摂取は危険であるか、無駄遣い(笑)の方が多いでしょうね
ただ肝硬変患者で、亜鉛欠乏の時、亜鉛を投与すると状態がかなり改善するというY新聞の記事を呼んだことがあります
本来は公的機関で審査、検証してくれるといいのですが
でもこれだけの数があると、問題が出たものしか出来ないんでしょうね
患者、特に治療中の患者は医師の許可なく安易に飛びつかないよう啓発していくしかないかもしれません

投稿者 sasadonさん : 2005年08月27日 00:11

 業者のサプリだけでなくて、昔からの言い伝えの民間療法にも一歩間違えば恐いことになります。
 以前整形外科で、あるおばあさんが熱傷で手背の皮膚移植を受けた若い女性に、「白いホウセンカの花を漬け込んだ焼酎で消毒すると治りが早い」と持参していたものを渡したようで、私に害が無さそうだから使っても良いかと尋ねたことがありました。
 植皮は植えられた細胞が増殖しないと良くならないので、細胞が死んでしまうと強く注意し、主治医に報告もし、そのおばあさんにもやたらに人に勧めないように言いました。
 しんぞう先生の上記の記事の内容が、一般の私達に浸透するといいと思います。

投稿者 行灯さん : 2005年08月27日 06:35

食品やサプリメントなどの科学的な評価の方法や新しい報告は東北大学の坪野教授のHPで紹介されています。一度ご覧になってください。http://www.metamedica.com/

投稿者 加藤眞三さん : 2005年08月27日 09:06



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