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2009年08月17日 ガンパートナーさんの奥様の尿膜管がん治療歴

カルテ

 2009年8月15日のブログエントリー(記事)に書いたガンパートナーさんは、当ブログでの公表を前提に奥様の尿膜管がんの病歴(治療及び結果)を送ってくださいました。
 この詳細な病歴を読んでいるうちに、少ない症例の尿膜管がんは、納得のいくセカンドオピニオンの取得の難しさ、健康保険適用の可否といった切実な問題があることを改めて認識しました。
 私なりにガンパートナーさんの奥様の病歴を整理して、次のようにまとめました。

 病歴(治療及び結果) T子♀64歳(2009年10月現在)

 2004年4月
 血尿 H病院受診 膀胱炎の診断・治療(抗生物質投与)

 2004年9月
 精神疲労 SW病院 精神科受診・抗うつ剤服用

 2004年10月
 S病院 泌尿器科受診・「膀胱内腫瘍」の診断 CA19-9(10)、CEA(1.7)

 2004年11月14日
 S病院入院。膀胱内腫瘍(悪性)の切除手術。手術直前の生検で「尿膜管癌」と判明した。左尿膜管および膀胱内腫瘍の切除

 2004年12月
 Kホスピタル(精神科)入院・静養

 2004年11月~2006年11月
 経過観察。2~3か月に1回、CT、血液検査、尿検査 CA19-9(19)、CEA(4.2)

入院

 2006年11月14日
 左鼠頸部のリンパ節肥大確認される。S病院再入院、「尿膜管癌」の再発・手術。右尿膜管、臍、尿路出口を除く膀胱の全てを摘出し、小腸の一部を使って作った人工代替膀胱(作製時400cc)の挿入手術(手術時間12時間)。CA19-9(18)、CEA(4.5)

 2006年12月
 術後、心身静養のためKホスピタル(精神診療内科)に2週間入院

 2006年11月~2008年6月
 経過観察。CT、血液検査、尿検査、腫瘍マーカーは正常値

グラフ

 2008年6月9日
 CTにより左鼠頸部のリンパ節肥大および、骨盤内転移認められ、GA病院での化学療法を勧められる。S病院では不可とのこと(治療経験なし)。S.O(セカンドオピニオン)受診を希望する。突然の告知で、恐怖であった。GA病院でのS.O(セカンドオピニオン)では余命1年と云われる。
 2008年6月13日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。GA病院・泌尿器科。余命1年、I-フェップ療法を行うと云われる。5FU、イフォマイト、エトポシド、シスプラチンの併用治療を指す。副作用の恐怖が強くさらに他病院のS.O(セカンドオピニオン)を決める。
 2008年6月24日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。横浜Sクリニック、免疫療法。決断つかず。
 2008年6月25日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。都内Kクリニック、オゾン療法。数回施療を受けるが決断できず。
 2008年6月25日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。都内Sクリニック、免疫療法。1回250万円、尿膜管癌の治療例無しということから受診断念

 2008年7月1日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。J医大付属病院泌尿器科。Mパック療法、ジェスタミン&ファイタキセルがある。Mパック療法より副作用は軽い。TS-1は泌尿器系に使用すると極めて新しい治療となり、保険外治療となる。免疫療法は高価なわりに効果が疑問で勧められない。抗がん剤治療には限界があるがJ医大のプロトコルがある。実際の施療にはS医師があたる。J医大のS.O(セカンドオピニオン)は詳しい説明があり好感がもてたので、受診をほぼ決心し指定された受診日を待つことにする。
 2008年7月7日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。都内Sクリニック(高濃度ビタミンC療法)。自宅からクリニックまでの通院に疲れるのと、J医大の受診日が近くなったために中断。自覚症状には何の変化も見られなかった。この時期、CRP値が11unitと高値を示す。また不明熱(38~39℃)が数日、不連続に続く。J医大の正式受診を待つ間、V.Cの点滴療法を以降10回受ける。2万円/回
 2008年7月10日
 J医大泌尿器科受診。前回S.O(セカンドオピニオン)時紹介された担当医師と面談。S.O(セカンドオピニオン)時対応した医師の説明とは全く異なり、次の内容のS病院(手術を受けた主治病院)宛報告・説明書を渡され、「土下座」して治療を断られる。
 「患者さん拝見させていただきました。TS-1、CDDP療法(放射線併用)につきご本人、ご家族と協議させていただきました。現在、この治療を継続されている患者さまはTS-1適応のある疾患を合併してため保険適応となっていること。また治療効果については未知数であることまた、諸般の事情もありご相談の上、今回は見あわせることとなりました。折角ご紹介いただいたにもかかわらずお役に立てず大変申し訳ございませんでした。以上おわびまで」(文面通り)
 文中の「諸般の事情」とは、TS-1治療を行う場合J医大内での倫理委員会に資料提出の上、判断を仰がねばならないが、「勤務多忙でその資料を書く暇が無い」という、ものであった。J医大の対応は医療倫理上極めて大きな問題を含んでいるが、面談した医師の知的レベルが驚く程、低劣であったため、当方、唖然としてしまい、現在に至るまで、J医大には問題提起をしないでいる。

 2008年8月2日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。S.M病院。「がん休眠療法」についての説明を受ける。C大医学部大学院のT医師。T医師は自ら本化学療法を16年ほど前から提唱、学会発表している。抗がん剤治療であるものの、投与法に独自の科学的知見からの工夫を加えたものであり、当方の希望に沿うものであったので、治療を受ける決心をし、その旨申し出、承諾される。ここまで「癌難民」として数ヶ月間彷徨してきたが、終に化学療法を受けるに至り、ひとまず安堵する。戦いはこれからである。

 2008年8月16日~2008年11月
 2008年11月の二回目の手術の際、左鼠頸部のリンパ節を、動脈に一部患部がからまっていたため完全には切除できなかったことと、左大腿部の閉鎖神経を切断せざるを得なかったため、左足に痺れと痛みおよび左腰痛が続く。第1回目の抗がん剤投与。シスプラチン(20mg)+TS-1(80mg)(参)1回のみトポテシン(40mg)を投与。*以降の投与インターバル=シスプラチン;2週間に1回、TS-1:2週間服用、1週間休止。*S病院にてCT造影検査を2~3ヶ月おきに受けることを決める。(主治医のコンサルは従来とおりとする)白血球9600

 2008年9月1日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。放医研(放射線医科学研究所)CT写真での診断。腫瘍が局部的でなく骨盤内に転移があるため、重粒子放射治療は不可と診断される。

 2008年10月2日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。S病院、緩和ケア科、痛み止め(ランドセン、トリプタノール)の処方
 2008年10月4日
 S.O(セカンドオピニオン)受診。白血球5600、CA19-9(400)、CEA(14)
 2008年10月5日
 飛行機旅行(100分)後、両足の浮腫みが生じ、左足の水虫が悪化
 2008年10月14日
 左乳房にしこり。T.S病院乳腺外科。左乳房に新たに「原発腫瘍」見つかる。
 2008年10月23日
 左乳房にしこり。S病院、CT検査結果:骨盤内に多数のリンパ節肥大があり前回より増大している。左側に水腎水尿管が起こっており、左尿管がリンパ節腫にinvolveされている可能性が高い。今回、左腎静脈背側にもリンパ節転移が見られる。S病院・皮膚科。水虫治療(水虫は腫瘍に禁忌)

 2008年11月5日
 左乳房にしこり。白血球3800、CA19-9(190)、CEA(12)
 2008年11月12日~同月26日
 左乳房にしこり。S病院放射線腫瘍科。放射線治療(10回)、腰痛および浮腫み改善を目的
 2008年11月26日
 左乳房にしこり。S病院。皮膚科治療、以降定期治療

 2008年12月20日
 左乳房にしこり。白血球3300、CA19-9(75)、CEA(3.5)

グラフ

 2009年1月19日
 左乳房にしこり。S病院ブレストセンター入院。左乳房原発腫瘍摘出手術。粘液腫、転移なし。TS-1が保険適用となる。
 2009年1月24日
 白血球2700、CA19-9(45)、CEA(2.0)。軽減しつつあるが、足の浮腫み、左腰痛・左足の痛みと痺れ、左足水虫(踵の一部)が残る(以降現在に至る。)。

 2009年2月3日
 S病院、CT検査結果:骨盤内、傍大動脈にリンパ節肥大がある。前回と比べ大きさに大きな変化はないが、石灰化が強まっている。左側に水腎水尿管があるが、前と変わりない。
 2009年2月21日
 白血球2100、CA19-9(32)、CEA(3.4)

 2009年3月21日
 白血球2500、CA19-9(20)、CEA(3.2)

 2009年5月11日
 S病院、CT検査結果:リンパ節転移の石灰化と内部densityの低下傾向
 2009年5月11日
 W鍼灸院。医療リンパマッサージ施術。方法をDVDで記録。以下ほぼ毎日家族がマッサージを行っている。
 2009年5月16日
 白血球2600、CA19-9(27)、CEA(2.0)

 2009年6月20日
 白血球1900、CA19-9(30)、CEA(3.0)

 2009年7月21日
 白血球2200、CA19-9(32)、CEA(3.3)

仲間

●最初の血尿に対する診断の膀胱炎は、私には誤診のように思われます。尿膜管がんの診断を受けてからも、治療を受ける病院がなかなか決まらない状況や患者本位とはほど遠いセカンドオピニオンを目の当たりにされたことは、がん難民としてかなり焦られたでしょう。

●2008年6月25日の都内Sクリニック免疫療法の1回250万円は、全額自己負担の金額だと思います。成果の保証も、尿膜管がんの治療実績もないとなるとためらう金額です。

●2008年10月からは左乳房に原発性がんが発見されるなど、多重がんとの闘いは相当厳しいものがあると感じました。しかし、腫瘍マーカーが正常値になったことは、治療は著効したということでしょう。

 ガンパートナーさんの奥様の病歴(治療及び結果)を読んだとき、次の3点が私の治療歴と大きく異なることに気付きました。

(1)私の主治医は、セカンドオピニオンを国立がんセンター又は公立がんセンターに取りに行くべきであると勧められました。また、私立病院、私立大学附属病院、独立行政法人国立大学附属病院のセカンドオピニオンはお金と時間の無駄とさえもおっしゃいました。
 私はこの助言に従い、公立がんセンターからセカンドオピニオンを得ました。また、主治医に相談し、近隣の県の信頼ある私立病院からもセカンドオピニオンを得ました。

(2)2007年4月~同年6月に投薬を受けたシスプラチン及びTS-1は、病院の倫理委員会に諮られることはなく、健康保険対象として処理されました。ただし、シスプラチン及びTS-1は、効果が少なかったことから、2007年7月以降はジェムザール及びシスプラチンの2剤併用化学療法(GC療法)を受けています。

(3)著効したジェムザール及びシスプラチンの2剤併用化学療法(GC療法)は、病院の倫理委員会に諮られることはなく、健康保険対象として処理されました。

☆★ガンパートナーさんへ☆★
 引き続き、少ない尿膜管がん情報でお困りの患者、家族、恋人・友人のために、情報を提供していただきますようお願い申し上げます。
 御送付くださいました奥様の腫瘍マーカーのCA19-9及びCEAのグラフは、2回に分けて後日のブログエントリー(記事)に書く予定です。

★膀胱がん(尿膜管がん)患者とその家族及び恋人・友人の皆様へ
 膀胱がん(尿膜管がん)は、2008年12月22日のブログエントリー(記事)に書いたように「部屋の中の象(Elephant in the room)」と呼ばれる話題にしにくい病気です。このため、膀胱がん(尿膜管がん)の患者側からの情報は意外に少ないものです。膀胱がん(尿膜管がん)の闘病経験の情報を当ブログのコメントにお寄せくださいますようお願いします。

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投稿者 fight : 2009年08月17日 06:07
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