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(骨髄異形成症候群)

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2007年05月29日 心の専門家

 私が勤務している学部では、社会学の他に心理と福祉の専攻があります。カウンセラーは女性の職業として人気が高いようで、心理学専攻には優秀な学生が集まってきます。しかし、臨床心理士になるのは大変。大学院で非常に厳しい訓練をうけて、その上で資格試験に合格しなければならないのです。高い能力が要求されます。臨床心理は、統計を駆使し、高度な理論で身を固め、対象を冷厳に眺める科学者のような人たちです。カウンセリングそのものを否定するわけではありませんが、科学者に人の心を癒す力があるのかという疑問を消し去ることはできません。

 死と向き合う、深刻な病気を抱えた患者がたくさんいる血液病棟には、しばしば臨床心理士たちが訪れて来ました。患者の精神的安定に寄与するという名分のもとに。みんな有能で誠実な人たちです。しかし、臨床心理士がなんなのかを誰も理解はしていません。相談をもちかける人もなく、なんだか宝の持ち腐れといった印象をもちました。

 こんなことがありました。6人部屋で、ただ一人のおじいさんは骨髄異形成症候群で回復の望みがありません。おじいさんのいらいらを鎮めるために、臨床心理士を看護師さんが呼びました。「なにかお悩みはありませんか」と彼女(心理の専門職は女性が多い)。20代か、せいぜい30代前半の若く美しい女性です。するとこのおじいさんは激怒しました。「あんたのような若造に、わしの気持ちが分かってたまるか!」。

 この女性がショックを受けて涙ぐんでいると、病室の若者頭Oさんが、彼女を部屋から連れ出してこう言いました。「あのじいさん気がたってるからさあ、悪気はないから許してやれよなあ」。いやはや。「心の専門家」が患者から慰められているとは。

 同室のハセガワさんは、白血病なのか悪性リンパ腫なのか判定がつかず、2ヶ月もこの2つの難病の間で宙吊りになっていました。当然、心理的に不安定になる。そこで臨床心理士の登場です。女性のカウンセラーが来て、ハセガワさんは彼女と一緒にどこかへ消えました。そこで一時間半あまり面接を受けたようです。帰って来た彼に、私はこう尋ねました。「心の安定は得られましたか?」。「関係ないっすよ。頭がよかったり学歴があることと、人の気持ちが分かることは全然別っすよ」とハセガワさん。

 「でも、すげー美人と一緒にいられてハッピーでした。気分も晴れましたよ」。なるほど、そのカウンセラーはたしかにすごくキレイな人でした。

投稿者 kotani : 2007年05月29日 16:53
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コメント

今私が関心をもっているものに、医療のスピリチュアルケア・ワーカーがあります。しかし、このスピリチュアルケア・ワーカーというものも、1週間に一度きていきなり相談をといわれても、何を相談するのかわからず宝の持ち腐れになるのではというのが私の感想です。

むしろ、ベッドサイドに近くにいる看護師がこのようなことをできればと思うのですが、日本の多忙な病棟の中では看護師にはこのような余裕は許されないのかもしれません。

投稿者 加藤眞三さん : 2007年05月30日 16:15

 むしろ、ベッドサイドに近くにいる看護師がこのようなことをできればと思うのですが、日本の多忙な病棟の中では看護師にはこのような余裕は許されないのかもしれません。

 本当にそう思います。カウンセリングの特別な技術などいらない。のんびりと看護士さんと世間話をするのが入院中一番の癒しでした。無菌室は割合そのゆとりがありましたが、一般病棟はいそがしすぎます。

投稿者 加齢御飯さん : 2007年05月31日 09:10

ロンドンでコウ・カウンセリングの地域会に入っています。タイマーで時間を決めて、お互いに同じ時間ずつ、守秘義務を守ってカウンセリングしあうというお猿の背中掻き式のもので、専門職が不要なので超格安です。しかし、効果は絶大で、異国の地に住まう不安がぐっと減りました。もし怪我や病気で入院しても、精神不安の症状(ナーバスブレイクとか言う)になっても、膝をつきあい手を握ってじっと見守り話を聞いてくれる人がいる(しかもあとで6万円請求されたり、宗教勧誘されたりはけしてない)という安心感はたいへんありがたいです。これはお金では買えません。同じ時間だけ自分も見守りを提供するだけです。メンタルヘルスの地域通貨と思っています。

投稿者 hamakyoさん : 2009年09月27日 18:57

同じ時間だけ自分も見守りを提供するだけです。メンタルヘルスの地域通貨と思っています。


 hamakyoさま。お久しぶりです。すごいですね。心を支えあうのは素人同士。日本でもお金をかけずに簡単にできることだから取り入れていったらよいのではないでしょうか。

投稿者 加齢御飯さん : 2009年09月27日 20:32

加齢御飯様。ごぶさたしています。
コウ・カウンセリングは日本ではRC(再評価カウンセリング)という名前で通っています。たしか、埼玉生協で子守や介護の時間を提供しあう、時間銀行(保育ママ制度)をやっていたかと思いますが、ちょっとこれに似ていますね。お互いに負担が同程度ということは、長くつきあううえで大事なことだなと思います。
本当の友人ではないのに、FACEの友情のふりをして信頼しあうということに最初は偽善を感じて躊躇していたのですが、ふしぎなことに実際に毎週会って話し合っていると、お互いに大事な存在になっていくのを実感します。コウ・カウンセリングではカウンセラー同士で友達づきあいや恋愛やビジネスをすることを禁止していますが(でもあまり守られないらしい)、なかなか巧妙なシステムだなと思います。

↓ここに出ていましたが、
  池谷裕二「やる気がでる脳のだまし方」
http://president.jp.reuters.com/article/2009/08/22/5C3BDA46-8569-11DE-9EC7-25B93E99CD51.php
『「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」、「やる気が出たからやる」のではなく「やるからやる気が出る」』のだそうです。その伝でいくと「仲良くするから好きになる」のかもしれないなと感じます。

投稿者 hamakyoさん : 2009年10月06日 20:03

追伸です。少々話が飛びますが。以前、毎日新聞(2005年4月11日11版6頁)で、「性犯罪者の再犯率半減/カナダの民間ボランティア/「友だち関係」奏功/いつでもどこでも話し聞きアドバイス」という、ボランティア団体COSAについての記事が載っていました。再犯を防ぐには社会的孤立を防ぐことが一番効くという理由で、メンバーの一般市民が「友だち」として登録し、毎週1回集まって本人を支えるほか、何かあれば電話一本でかけつけるという活動をしているそうです。最初記事を読んだとき、ボランティアとして登録する人々は性犯罪を憎んでいるのに、犯罪を防ぐためにその本人と「友だち」になるなんてと衝撃を受けました。しかし、コウ・カウンセリングをやってみて、人と親しくなることで安心や自信や思いこみの修正、偏見の見直しなど、同機とはまた別のところでお互いに得るものは大きいのではないかと、考え直しています。昔からのコミュニティというものが既になくなっているところでは、人と人が出会って付き合いを続けるためには、何らかの人工的な仕掛けが有効なのではと思います。長くなってしまい、失礼しました。

投稿者 hamakyoさん : 2009年10月06日 20:23

上記2投稿に誤字があり、失礼しました。
FACE→FAKE(ねつぞう)
同機→動機
です。

投稿者 hamakyoさん : 2009年10月06日 20:40

hamakyouさま。コメントをありがとうございました。レスが遅れてもうしわけありませんでした。ジェームズランゲ説というのが心理学にはあった、怖いから逃げるのではなく逃げるから怖いのだという話です。行動が感情を規定すると言う学説です。そう考えてみると、「親密そうに話をする」と本当に相手が好きになって親密になれるというのは筋がとおっていると思います。性犯罪の話も驚きました。イギリス人は冷たいというイメージがありますが、心やさしい人たちが、そして勇気ある人たちがいるものだと思いました。性犯罪者は困りますが、社会から排除していたのでは彼らを一層犯罪の方においやるだけでしょう。

投稿者 (匿名)さん : 2009年10月10日 14:26

 もうしわけございません。上の書き込みは私のものです。

投稿者 加齢御飯さん : 2009年10月10日 14:27



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